◆ 元の意味(古代)
手を上から当てて圧する
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KANJI ETYMOLOGY
ou
画数
8画
成り立ち
形声
部首
扌(てへん)
分類
常用漢字
上から確かに圧し当て、署名にも通じる印付けの手
ORIGIN
『説文解字』には本字としての立項はなく、後漢以降『玉篇』『廣韻』などに整備された形声字である。意符「扌(手)」と声符「甲」から成る。声符「甲」は亀の甲羅・鎧の堅い覆いを象り、藤堂明保『漢字源』は、甲の本義「上から堅く覆いかぶさる」イメージが「押」に受け継がれ、手を上から物に当ててしっかりと圧する動作を表すと解する。白川静『字統』は、古代の文書管理において、自らの署名・花押を上から押し当てて文書の正当性を保証する所作と関連づけ、「押」が単なる物理的圧迫を超え、責任の表明・権威の付与という社会的機能を併せ持つ字となったと述べる。古典では『漢書』『唐書』に「押署」「押印」「押韻」の語が頻出し、特に唐代以降、官僚や武将が公文書に書き入れる独特の署名「花押」が発達した。「花押」は中世日本にも伝わり、武家文化の中で個人の意思表示・契約承認の象徴として極めて重要な役割を担った。「押韻」は詩歌において脚韻を踏むことであり、声調の上に韻を「押し当てる」感覚を伝える。日本語ではさらに「押し」「押し出し」「押収」「押印」など、能動的な働きかけと公的な権威付けを表す広い用法へと展開した。「押」は、上から確かに力を加える積極性と、自らの名を押して責任を負う誠実さを併せ持つ、能動と信頼の手の働きを象徴する字である。
構成要素
扌(手)+ 甲(上から覆う、声符)
STROKE ORDER
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MEANINGS
手を上から当てて圧する
おす、おさえる、押印する、押韻する
自らの意志で前へ進み、責任をもって名を刻む積極性と信頼感
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。