◆ 元の意味(古代)
五指を内に丸めた手の形、握りこぶし
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KANJI ETYMOLOGY
ken
画数
10画
成り立ち
形声
部首
手
分類
常用漢字
五指を握りしめ、内に秘めた力を一点に凝らす字。
ORIGIN
『説文解字』手部に「拳は手なり。手に従い𢍏(巻の上部)の声」とあり、下に「手」、上に音符「𢍏」を置いた形声字である。「𢍏」は「巻く」「丸めて収める」意を持つ音符で、「巻」「捲」「圏」などと同系である。藤堂明保『漢字源』は、これらの字に共通する含意を「丸く曲げて一つに収める」とし、「拳」とは指を内側に丸めて掌に収め、力を一点に凝集させた手の形であると説く。白川静『字統』は、「𢍏」を両手で物を巻き収める形象とし、「拳」は手指をすべて内へ収斂させた状態、すなわち力を蓄え、外に発しようとする直前の凝縮の姿を象るとする。『論語』衛霊公篇に「拳拳服膺して失わず」とあり、これは「両手で大切に抱き、心に固く守って失わない」の意で、ここでは拳は単なる握りこぶしではなく、誠意と忠信を心に深く抱きしめる象徴として用いられている。中国武術における「拳法」「太極拳」などの語は、武のみならず、内なる気を練り、心身を統御する修養体系をも意味する。日本でも「拳」字には武勇のみならず、信念を堅く守り抜く精神性の含意が伝わる。
構成要素
手(手)+𢍏(音符・巻き収める)
STROKE ORDER
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MEANINGS
五指を内に丸めた手の形、握りこぶし
こぶし、握りこぶし、拳法、力を込める
信念を固く心に握り、誠実に守り抜く強さ。武勇と精神修養を兼ね備えた人。
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※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
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現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。