◆ 元の意味(古代)
巻き上げる。気勢を発する。勇気。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
ken
画数
11画
成り立ち
形声
部首
扌(てへん)
分類
常用漢字
扌と巻を合わせ、手で物を勢いよく巻き上げ、また袖を捲り上げる動作を示す字。
ORIGIN
『説文解字』手部に「捲は氣勢なり、國語に曰く、予人有捲勇とは手に従ひ卷聲」と記される。許慎はここで捲を「気勢・勇気」の意とし、『国語』の「予に捲勇有り」を引用して論じる。声符兼意符の「巻(卷)」は、人がうずくまって膝を曲げる形、または巻物が円く巻かれた象形で、「丸く曲げる・取り巻く」意を含む。白川静『字統』は、巻を膝を屈する人の姿と解し、捲は手で物を巻き取る動作と気勢を発する両義を持つ字と論じる。藤堂明保『漢字源』は語幹「ケン(巻・拳・倦)」を「丸く曲げる・力をこめる」意とし、捲・巻・拳・圏を同族として整理する。すなわち、力を内に込めて巻き、外に放つ意で結ばれる語族である。古典『詩経』『国語』に「捲き巻きたる勇」「卷き上げる風」など、勇気と動態の両面で用いられた。日本語では「席捲」「捲土重来」「袖を捲る」のように、勢いよく覆い尽くす、また奮い立つ意で使われる。「捲土重来」は項羽の故事に基づき、一度敗れても土埃を捲き上げて再起する不屈の精神を表す名句である。命名では使用例は少ないが、底知れぬ気力と再起の勇、場を席捲する力強さを象徴する字である。
構成要素
扌(手の動作)+巻(音符兼意符・巻く)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
巻き上げる。気勢を発する。勇気。
まく。まくる。巻き上げる。勢いを示す。
底知れぬ気力と不屈の再起力、場を席捲する勢いを象徴する字。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。