◆ 元の意味(古代)
車軸が当たるように手で打つ
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
geki
画数
15画
成り立ち
形声
部首
手(て)
分類
常用漢字
手で力強く打つ意の形声字、攻撃・打撃の撃
ORIGIN
『説文解字』手部に「擊は攴なり。手に从ひ毄聲」とあり、手を意符、毄(けき)を声符として用いた形声字である。毄は車の軸頭が物に当たる形で、衝突・打撃の意を内包する。すなわち戦車の軸が敵兵に当たって打ち砕く動作が毄の象であり、これに手の動作を加えて、人手による打撃を明示したのが擊である。白川静『字統』では、毄は軸頭が殳(ほこ)に当たって打ち砕く形であり、擊は武器を手に持って敵を打つ戦闘動作を表すとする。藤堂明保『漢字源』は毄・擊・繫を同系語族とし、ぶつかり打つ共通義を抽出する。古典では『左伝』『史記』に「敵を擊つ」、『孫子』に「擊其惰歸(惰り帰るを撃つ)」など兵法の核心語として頻出し、戦闘・攻勢を象徴する重要動詞として位置づけられた。日本では奈良期から武門の語彙に用いられ、剣道・武術の「撃剣」「一撃」、軍事の「攻撃」「迎撃」「砲撃」、感情面の「衝撃」「目撃」「打撃」など多様な熟語に展開した。新字体は「撃」、旧字は「擊」。常用漢字だが人名用には登録されず、攻撃的な象意のため名付けには通常使われない字である。
構成要素
手+毄(声符・軸が当たる)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
車軸が当たるように手で打つ
うつ、攻める、ぶつかる、打撃する
攻撃的含意のため人名には不適
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。