◆ 元の意味(古代)
両腕で抱きかかえ守る
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
you
画数
16画
成り立ち
形声
部首
扌(てへん)
分類
常用漢字
両腕でしっかと抱き護る。守護と支持の包容力を宿す字。
ORIGIN
『説文解字』手部に「擁、抱(いだ)くなり。手に从ひ、雝聲」とある。胸に抱きかかえ抱擁することを本義とする。形声字で、意符「扌(手)」が腕の動作を、声符「雝(よう)」が音を担う。雝は『説文』に「雝渠なり」とあり、水鳥がやわらかく和らぎ寄り添うさまを表す字(雍とも書く)で、和らぎ・親しみ・取り囲む語感をもつ。藤堂明保『漢字源』は、擁の核心義を「YOU=両側からまわりこんで囲む」と捉え、雝の「囲い和ませる」感覚と通底するとする。白川静『字統』は、雝のもとの形を、囲まれた水辺に水鳥が群れる景とし、擁はそれを手の動作に転じて、両腕で人や物を取り囲み護る所作と解する。古典では『史記』に「擁兵自重」(兵を擁して自重す)、『漢書』に「擁立」(君主を立てて支える)、『左伝』に「擁護」、『楚辞』に「擁瑟」(瑟を抱える)など、抱擁・支持・領有の三系の意で多用された。「擁護」「擁立」「抱擁」「擁する」など現代語でも生き、力で押さえつけるのではなく包み込んで支える徳を表す。日本では政治・思想の場面で「○○を擁して」という表現に用いられ、リーダーを支える集合的な意志を表す字となった。擁の字は、優しく抱き寄せる慈愛と、信ずる者を最後まで守り抜く強い意志、そして多くの仲間に擁立される人徳の大きさを象徴する。
構成要素
扌(手)+雝(声符・囲み和らげる)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
両腕で抱きかかえ守る
いだく、まもる、擁護する
大切なものを抱き護る慈愛と、人々に支えられる包容力。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。