◆ 元の意味(古代)
手で引き抜く、抜きん出て選び出す
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KANJI ETYMOLOGY
teki
画数
17画
成り立ち
形声
部首
扌(てへん)
分類
常用漢字
群を抜き引き上げる。才気が頭角を現す抜擢の字。
ORIGIN
『説文解字』手部に「擢、引くなり。手に从ひ、翟聲」とある。手で勢いよく引き抜く・抜き出すことを本義とする。形声字で、意符「扌(手)」が動作を、声符「翟(てき)」が音と意の両面を担う。翟は雉(きじ)の羽の長く美しいさまを表す字で、羽(はね)と隹(とり)から成り、ひときわ高く伸びる・抜きん出る語感をもつ。藤堂明保『漢字源』は、擢の核心義を「TEKI=高く抜き出す」と分析し、翟の長く伸びる雉羽のイメージから、群衆の中から才能ある人を引き上げる意に展開したとする。白川静『字統』は、翟を古代の祭祀舞踊で雉羽を執って舞うさまと結びつけ、擢はその羽を引き抜くように卓越した者を選び抜く動作と解する。古典では『楚辞』に「擢余髮以濡霧」(わが髪を抜きて霧に濡らす)と髪を引き抜く本義が見え、『漢書』『後漢書』では「擢用」「擢拔」「抜擢」など、人材登用の語として広く用いられた。中国の科挙制度では、有為の才を見出して登用することを「擢」と称し、唐宋以降の人事用語の中核となった。日本でも「抜擢」は埋もれた才能を引き上げる意で広く用いられ、現代でも昇進・登用の場面で重く響く語である。擢の字は、雉の羽が一本ひときわ高くそびえるように、自らの才を磨いて群を抜く志、そして他者の才を見抜き引き上げる眼識と度量を象徴する。
構成要素
扌(手)+翟(声符・抜きん出る)
STROKE ORDER
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MEANINGS
手で引き抜く、抜きん出て選び出す
ぬく、ぬきんでる、抜擢する
群を抜く才気と、人を見抜き引き上げる眼識と度量。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。