◆ 元の意味(古代)
手で表面を擦り清める、磨く
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KANJI ETYMOLOGY
satsu
画数
17画
成り立ち
形声
部首
扌(てへん)
分類
常用漢字
手で擦り清め、磨き上げる。摩擦から光を生む字。
ORIGIN
『説文解字』には収められず、後出の字である。形声字で、意符「扌(手)」と声符「察(さつ)」から成る。察は『説文』に「覆審なり。宀(うかんむり)に从ひ、祭聲」とあり、屋根の下で祭祀を慎重に行うことから「つぶさに観察する・清める」の意をもつ。藤堂明保『漢字源』は、擦の核心義を「SATSU=面を細かくこする」と捉え、察の「細かに見分ける」感覚と通底するとし、手で物の表面を細かく擦り清め磨く動作を表すと分析する。白川静『字統』は、察を祭祀における清めの儀礼と関連づけ、擦もまた手の動作によって物を清浄にする所作にさかのぼるとする。古典での古例は限られるが、宋代以降の白話小説や禅宗語録に「擦磨」「擦拭」(擦り拭う)、「擦掌」(手をすりあわせる・意気込みの表現)などの用例が見え、日常動作の語として定着した。日本語でも「摩擦」「擦過」「擦傷」「擦り合わせる」など、二つの面が触れ合い熱や音を生む現象を表す広範な動詞として用いられる。注目すべきは、擦の字には単なる損耗ではなく、磨くことで輝きを生む積極的な意味が含まれる点である。「磨擦して光を出す」「擦って火を起こす」など、摩擦こそ価値を生む契機となる。禅の語に「磨擦切磋」とあり、人と人とが切磋琢磨することで互いに磨かれる徳を表す。擦の字は、摩擦を恐れず人と関わり、互いに磨き合うことで真の輝きを獲得する成長の精神、そして努力を重ねて本物の光沢を生み出す職人気質を象徴する。
構成要素
扌(手)+察(声符・つぶさに清める)
STROKE ORDER
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MEANINGS
手で表面を擦り清める、磨く
する、こする、擦過する
摩擦を恐れず人と切磋琢磨し、努力で輝きを磨き出す向上心。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。