◆ 元の意味(古代)
舟の隙間を補修する、わずかな割れ目・きざし
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KANJI ETYMOLOGY
chin
画数
10画
成り立ち
会意
部首
月(つき)
分類
常用漢字
舟の隙間を補修する形から、わずかな兆し・天子の自称となった字。
ORIGIN
『説文解字』巻八に「朕、我也。闕」とあり、許慎は「我なり」と一義に解しながらも字源については「闕」(不明)と記し説明を避けた。段玉裁の注によれば、本来は「舟+灷(火を捧げる手)」の会意で、舟の継ぎ目に火で焼いた瀝青を流し込み補修する作業を表したという。白川静『字統』は「舟と灷(しょう)とに従う。灷は両手で物を奉持する形。舟を修繕してその間隙を塞ぐことの意」と説き、わずかな隙間・きざしを意味する原義から、転じて「微細な前兆」さらに秦の始皇帝以後「天子の自称」へと意味が変化したと述べる。藤堂明保『漢字源』も「舟+灷の略体。舟の継ぎ目に詰め物を入れて補修するさま」とし、「わずかな割れ目」「きざし」が原義であるとする。秦以前は『楚辞』にあるように身分の上下を問わず一人称代名詞として使われていたが、始皇帝二十六年に「朕は天子の自称」と定められ、以後皇帝専用の言葉となった。日本でも詔勅における天皇の自称として継承され、現在も憲法発布文等に見える。命名にはほぼ用いられない厳格な字である。
構成要素
月(舟)+关(両手で捧げる形)
STROKE ORDER
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MEANINGS
舟の隙間を補修する、わずかな割れ目・きざし
天子の自称、われ、きざし、前兆
気配を察する聡明さ。ただし命名には不適とされる。
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※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
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現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。