◆ 元の意味(古代)
南方に生える常緑高木クスノキ
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KANJI ETYMOLOGY
nan
画数
13画
成り立ち
形声
部首
木(きへん)
分類
人名用漢字
南国に立つ千年の楠、芳香と剛直の鎮守木
ORIGIN
「楠」は形声文字で、意符の「木」と音符の「南(ナン)」から成る。許慎『說文解字』本文には立項されず、宋代の『集韻』『玉篇』に「楠、木名」と注し、後漢以降の文献で南方産の常緑高木クスノキ科のタブノキ・クスノキ(Cinnamomum camphora)を指す字として定着した。白川静『字統』(一九八四)は音符「南」を「南方の楽器の象、転じて南方を指す方角字」と解し、楠は字義通り南方に多く生える大樹の名であるとする。藤堂明保『漢字源』(一九八八)も「南」が温暖な地を示し、楠が亜熱帯から温帯南部に分布する常緑高木である点と整合すると述べる。木質は緻密で芳香を帯び、虫害・腐食に強いことから、古来仏像・船材・建築材として最高級とされた。中国南方では宮殿や陵墓の柱に多用され、日本でも鎌倉大仏の鋳造に用いた木型や仁和寺・東大寺の建材に楠が使われた。樹齢千年を超える巨樹も各地に残り、神社の鎮守として祀られる。樟脳の原料としても古来重視された。歴史的には楠木正成にちなみ、忠義・剛直の象徴ともなった。名に用いれば、長寿・剛健・忠誠、芳香のように人を惹きつける徳望を象る。
構成要素
木(きへん)+南(音符・南方の温地)
STROKE ORDER
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MEANINGS
南方に生える常緑高木クスノキ
クスノキ、楠木、姓氏
長寿・剛健・忠誠、人を惹きつける徳望
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※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
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現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。