◆ 元の意味(古代)
そこに足を止めること。転じて、近称の指示代名詞「これ・この・ここ」。
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KANJI ETYMOLOGY
shi
画数
6画
成り立ち
会意
部首
止(とめる)
分類
—
足を止めた此処を指す指示の字
ORIGIN
『説文解字』巻二上・止部に「此は止まるなり。止に従ひ匕に従ふ。匕は相比次なり」とあり、「止」(足)と「匕」(人が向かい合う形)を合わせて、人がそこに立ち止まる、すなわち「此処(ここ)」を指す会意字と説く。白川静『字統』は、「匕」を反転した人の形と解し、「止」(足)と合わせて、人が足を止めて此処に居ることを指示する字形と解する。藤堂明保『漢字源』は、「此」を「止」と「匕(人)」の会意と認めつつ、シ音から「ぴたりと近づき止まる」イメージを語族的特徴とする。本義は「止まる」であったが、早くから指示代名詞「これ・この・ここ」に転用され、これが主用法として定着した。古典では『詩経』『書経』『論語』にすでに代名詞用法が確立しており、「此心」「此地」「此時」のように、近称・現前の事物を指す語として漢文に頻出する。「彼此」「如此」「此岸」など、現代日本語の漢語にも残る基本字。仏典では「此岸(迷いの世界)」「此土」が「彼岸」「浄土」と対比され、宗教的意味も帯びた。
構成要素
「止(足)」+「匕(人の形)」の会意字。人が足を止める所=「ここ」を指す。
STROKE ORDER
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MEANINGS
そこに足を止めること。転じて、近称の指示代名詞「これ・この・ここ」。
これ。この。ここ。「彼此」「如此」「此岸」など漢文表現に頻出するが、人名にはまれ。
人名使用は極めてまれ。漢文教養や指示代名詞として古典に親しむ際の基礎字。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。