◆ 元の意味(古代)
死に瀕する危うい状態
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KANJI ETYMOLOGY
tai
画数
9画
成り立ち
形声
部首
歹(がつへん)
分類
—
殆は歹+台で、死に近づく危うい状態。「ほとんど」の意も派生。
ORIGIN
『説文解字』歹部に「殆は危きなり、歺に从ひ台聲」とあり、骨を意味する歹を意符、台を声符とする形声字と分析する。歹(歺)は風化した残骨の象形で、生命の損なわれる状況を示し、それに「タイ」と読む台を組み合わせて、死に瀕した危険な状態を表した。白川静『字統』は、台はもともと耜(すき)の柄を握る形であり、農具を持つ手の動作から「持ちこたえる」「抱える」の意があるが、ここでは音符として機能していると説く。藤堂明保『漢字源』は同源語に「怠(おこたる)」「治(おさめる)」「胎(はらむ)」を挙げ、TAI系の音には「ふっくらと膨らむ」「ぼんやりと不確定な状態」という共通イメージがあるとし、殆もまた「危険と安全の境界が曖昧で、いつ崩れるか分からない不安定さ」を示すと解釈する。古典での用例は豊富で、『論語』為政篇の「学んで思わざれば則ち罔し、思うて学ばざれば則ち殆し」は最も著名な用例で、危険の意。一方『荘子』『史記』などでは「殆ど(ほとんど)」「殆ど〜に近し」のように、ほぼ確実だが断定はできないという副詞用法も発達した。「危ない」と「ほとんど」という二義は、いずれも「境界線上にあって完全には固定しない」という原義から派生したものとして統一的に理解できる。日本語でも「危殆」「殆ど」と用いられる。
構成要素
歹(残骨)+台(声符・耜の柄)
STROKE ORDER
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MEANINGS
死に瀕する危うい状態
あやうい、危険、ほとんど、おおむね
命名は推奨されない。「あやうい」という不安定な意味を含むため避けるのが一般的。漢字学習対象として扱う。
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※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。