◆ 元の意味(古代)
諸水が合流した大洪水、天地を覆う大いなる水
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KANJI ETYMOLOGY
kou
画数
9画
成り立ち
形声
部首
氵(さんずい)
分類
常用漢字
天地を覆う大いなる水、雄渾なスケールと豊穣を象る字
ORIGIN
『説文解字』水部に「洪は洚水なり」と記され、許慎は本字を、洚水(こうすい)すなわち堤を越えて溢れる大洪水の意とした。形声構造は意符「氵(水)」と声符「共」からなる。「共」は両手で物を捧げ持つ象形で、「ともに」「合わせ持つ」が核義である。これに水が加わることで、無数の支流が合流し、両岸を共に呑み込むほどの巨大な水の集合、すなわち「大水」「広大」の意が形成された。白川静『字統』は、「共」を両手で器を捧げる祭祀形とし、「洪」を諸水が合流して天地を覆い尽くす、神話的洪水の規模を表す字と説く。藤堂明保『漢字源』は、「共」「洪」「鴻」「巷」を同族語族とし、共通義を「多くのものが合わさって大きく広がる」と整理した。古代中国の創世神話では、堯・舜の時代に大洪水が天下を覆い、禹(う)が十三年かけて治水を成し遂げて天下を平定したと伝えられる。これが「禹治洪水」の伝説であり、「洪」は人類文明の出発点を象徴する字となった。『書経』『孟子』『史記』に頻出し、単なる災害ではなく、天地の巨大なエネルギーと、それを治める英雄の偉業を併せて含意する。後世「洪恩」「洪福」「洪業」など、雄大・偉大なものへの称揚語として展開し、人名にも豊かさ・スケールの大きさを願う字として用いられる。日本でも「洪大」「洪量」など、広大な度量を称える語に生き、雄渾の美を伝える字となっている。
構成要素
氵(水)+共(両手で合わせ持つ・多く集まる)
STROKE ORDER
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MEANINGS
諸水が合流した大洪水、天地を覆う大いなる水
おおみず、ひろい、大きい、雄大
★天地を包み込む広大な度量、雄渾なスケール、豊かに満ち溢れる人生
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。