◆ 元の意味(古代)
古代の川の名、水がにごり混じり気を含む
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KANJI ETYMOLOGY
daku
画数
16画
成り立ち
形声
部首
氵(さんずい)
分類
常用漢字
澄と対をなす濁。万物を内に含む豊穣の字
ORIGIN
『説文解字』水部に「濁は水なり。齊郡に出で、嬀山より東北のかた鉅定に入る。水に従い蜀(しょく)声」とあり、もともとは古代中国斉郡を流れた川の固有名であった。声符「蜀」は蚕の形に由来する字で、ここでは音借として用いられる。後に「澄」と対をなし、水が混じり気を含んでにごるさまを表す一般語へと展開した。白川静『字統』は、古代の哲学において「清濁」は単なる物理的状態ではなく、善悪・聖俗・優劣を二項に分かつ価値概念であったが、同時に「水清ければ魚棲まず」の語に見るごとく、濁は決して否定すべきものではなく、生命を養い包容する豊かさの象徴でもあったと指摘する。『楚辞』漁父辞の「滄浪の水濁らば、以て吾が足を濯うべし」は、清濁いずれにも応じて柔軟に生きる賢者の姿を讃える名句である。藤堂明保『漢字源』は同系語に「濃・冒」を挙げ、「内側に多くを含み込む」語感を共有するとする。日本酒の「濁酒(どぶろく)」、また「清濁併せ呑む」の語が示すごとく、濁は度量の広さ・現実を受け入れる成熟をも意味する。名前に用いる例は稀だが、字義としては多様性を内に含む包容力、現実の複雑さを受容する大人の徳を内包する字である。
構成要素
氵(水)+ 蜀(声符)
STROKE ORDER
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MEANINGS
古代の川の名、水がにごり混じり気を含む
にごる、にごす、混じる、けがれる、澄まない
多様性を内に含む包容力、清濁併せ呑む度量、現実を受容する成熟(命名使用は稀)
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。