◆ 元の意味(古代)
兎が掘った穴、転じて土を掘った室
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
kutsu
画数
13画
成り立ち
形声
部首
あなかんむり
分類
—
土や岩を掘ってできた洞穴を表し、人や獣がひそむ深い穴を示す字。
ORIGIN
「窟」は「穴」を意符、「屈(クツ)」を音符とする形声文字である。許慎『説文解字』穴部に「窟は兎の堀る穴なり。一に曰く、土室なり。穴に従ひ屈声」とあり、もと兎が地中に掘った巣穴、転じて土を掘って造った住居を本義とする。古代中国では穴居が一般的であり、黄土層をくり抜いて住まいとする「土室」が長く伝統となった。白川静『字統』は、屈はからだを折り曲げる象であり、これに穴を加えた窟は、身を折り曲げて入るほどの低く狭い穴、また奥深く曲がりくねった洞窟を意味するとする。藤堂明保『漢字源』は、屈・掘・堀と同系の語族に位置づけ、「中をくぼませて空ける」「曲がって入り込む」という共通核を見出す。すなわち窟は、地表の下に屈曲して伸びる空間そのものを字義の核とする。漢籍では「巣窟」「洞窟」「窟宅」のように、人や獣がひそかに住み着く隠れ家を指し、後には「悪の巣窟」など否定的な比喩にも用いられた。一方で仏教文化では石窟寺院(敦煌・雲崗・龍門など)が信仰の中心となり、窟は神聖な修行・礼拝の場でもあった。日本では「岩窟」「窟内」と熟して用いられる。命名には用いず、地理・歴史用語に多い。
構成要素
穴+屈
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
兎が掘った穴、転じて土を掘った室
いわや、ほら穴、洞窟、巣窟
★命名には用いられない字。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。