◆ 元の意味(古代)
糸の端を整えて筋目を立てること。
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KANJI ETYMOLOGY
ki
画数
9画
成り立ち
形声
部首
いと
分類
常用漢字
糸の端を整え束ねる、秩序と歴史を綴る字。
ORIGIN
紀は「糸」を意符、「己」を声符とする形声文字である。許慎『説文解字』巻十三上の糸部に「紀、絲別也。从糸己聲」と記され、糸の端緒を整え、束を筋目正しく分けることを本義とする。己は曲がりくねった糸の端の象形で、糸の起点を示す。白川静『字統』は、紀を「糸の端を整理し系統立てる」意とし、そこから「物事の筋道」「規範」「年代」「歴史の記録」へと意味が拡張したと説く。古代中国では十二年を一紀、世代を世紀と称し、また『春秋』『史記』の「本紀」のように、王朝の出来事を年次に従って記すことを「紀」と呼んだ。藤堂明保『漢字源』は「キ」の音を「己・記・起・忌」と関連づけ、「立ち上がり起点となる」共通義を持つ語族とし、紀は「物事の起点を整える糸」と解する。日本の「日本書紀」「古事記」をはじめ、紀年・紀元・紀律・紀行など、紀の字は時の流れと秩序の根幹をなす語に用いられてきた。命名においても、聡明にして筋の通った人柄、規範を重んじる徳ある人物を願う字として、古来より愛用される。紀は、混沌の中に道筋を立て、時を整え記す賢智の象徴である。
構成要素
糸+己
STROKE ORDER
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MEANINGS
糸の端を整えて筋目を立てること。
のり。記す。年。世紀。紀律。
★秩序を立て時を綴る賢智。気品ある名に好まれる字。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。