◆ 元の意味(古代)
蚕の繭。糸の殻。
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KANJI ETYMOLOGY
ken
画数
18画
成り立ち
会意
部首
いと
分類
常用漢字
蚕が糸を吐いて作る殻。生命を包み守るものの象徴。
ORIGIN
「繭」は会意文字で、艸(くさ)・糸(いと)・虫(むし)の三要素から構成される。許慎『説文解字』糸部には「繭、蠶衣也。从糸、从虫、黹省」とあり、本義は蚕が吐く糸で自らを包む衣(殻)であると説く。段玉裁の注は、繭は蚕が成虫になる前に身を守るために作る糸の繭殻であり、ここから絹糸が紡がれる養蚕文化の根本に位置する字であるとする。白川静『字統』は、繭の上部の艸状の部分を蚕が登る蔟(まぶし)の象形と解し、その中で虫(蚕)が糸を吐いて自らを包む構造全体を「繭」字が形象化したと論じる。『字統』はさらに、古代中国において繭は衣の原料であるだけでなく、神聖な祭祀の供物でもあり、皇后が親しく蚕を育てる「親蠶」の儀礼があったことを指摘し、繭が文明と豊穣の象徴であったと述べる。藤堂明保『漢字源』は、語源を「ケン」の音に求め、「圏(かこい)」「捲(まく)」と通じる音象徴を持ち、「丸く包み込む」のが原義であると説く。藤堂はまた、繭は蚕の一生における転生の場、すなわち幼虫から成虫への変容を支える聖なる空間であると指摘する。命名では「繭」字単独、また「繭子(まゆこ)」「繭希(まき)」のように女性名に好まれ、柔らかな包容力と内に秘めた美しさを象徴する。
構成要素
艸+糸+虫
STROKE ORDER
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MEANINGS
蚕の繭。糸の殻。
まゆ。蚕が作る糸の殻。
★柔らかな包容力、内に秘めた美しさ、変容と再生を象徴。女性名に人気。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。