◆ 元の意味(古代)
本義は冬葵という食用の青菜を指し、古代中国の代表的な野菜であった。葉柔らかく茎を食用とし、薬用にも供された。後にアオイ科の多年草・一年草全般、すなわちタチアオイ・ゼニアオイ・フタバアオイなどを総称する語へと意味を広げた。
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KANJI ETYMOLOGY
Aoi
画数
12画
成り立ち
形声
部首
艸部
分類
人名用漢字
「葵」は「艸(くさかんむり)」を意符、「癸」を声符とする形声字で、フユアオイ・タチアオイなどアオイ科の植物を表す。太陽に向かって咲く性質から、誠実さと明るさを象徴する一字。
ORIGIN
「葵」は篆文の段階で「艸」と「癸(き)」を組み合わせた形声字として確立した。「艸(くさかんむり)」は二本の草を象る象形で、植物を表す意符。「癸」は十干の最後の文字で、本来は四方に伸びる戟(ほこ)の形を象った象形とされるが、本字では音「キ」を示す声符として働く。許慎『説文解字』には「菜なり」とあり、もとはフユアオイ(冬葵)と呼ばれる食用の野菜を指した。古代中国では葵は重要な野菜の一つで「百菜の主」と称され、『詩経』にも登場する。後にタチアオイ・ゼニアオイなどアオイ科植物全般を指すようになり、ヒマワリのように太陽を追って向きを変える性質から「向日」「忠誠」の象徴ともされた。日本では平安以来、賀茂神社の神紋「二葉葵」、徳川将軍家の家紋「三つ葉葵」として権威と高潔の象徴となり、文化的に深く愛される字となった。
構成要素
上部の「艸(くさかんむり)」は二本の草を象った象形で植物を表す意符。下部の「癸」は四方に伸びる戟形を象った象形で、十干の第十、また音「キ」を担う声符。意符+声符による典型的な形声構造である。
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MEANINGS
本義は冬葵という食用の青菜を指し、古代中国の代表的な野菜であった。葉柔らかく茎を食用とし、薬用にも供された。後にアオイ科の多年草・一年草全般、すなわちタチアオイ・ゼニアオイ・フタバアオイなどを総称する語へと意味を広げた。
現代ではタチアオイ・フタバアオイ・ゼニアオイなどアオイ科の植物を指す語として用いられる。徳川家の家紋「三つ葉葵」、賀茂神社の葵祭、夏に咲くタチアオイの花など、日本文化に深く根付き、清廉・高潔・夏の風物詩のイメージを担う。
太陽に向かって真っすぐに咲く葵のように、明るく誠実でまっすぐ育ってほしいという願いを込めて用いられる。徳川家紋の連想から品格・由緒の象徴ともされ、近年は女児名で圧倒的人気を誇るほか、男児名「葵(あおい)」としても広く愛される。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。