◆ 元の意味(古代)
衣を二重にかさねる
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KANJI ETYMOLOGY
fuku
画数
14画
成り立ち
形声
部首
ころもへん
分類
常用漢字
衣を二重に重ねることから、かさなる・複数の意へ広がった字。
ORIGIN
「複」は『説文解字』衣部に「重衣也。从衣复聲」と記され、衣を二重に重ねて着ること、すなわち袷(あわせ)の衣を本義とする形声字である。声符の「复(復の本字)」は、もと住居から出てまた戻る形に由来し、「もとへ戻る」「往復する」「重ねる」核義を含む。白川静『字統』は、「复」を歩行往還の象とし、行きて帰る、ふたたびする意と説き、「複」はそれに衣を添えて、衣を一重ではなく二重・多重にすること、転じて単一に対する複数・複合の概念を示すと述べる。古代中国の冬衣は厚さを増すために衣を重ねて綿を入れる「複衣」が常で、これは寒気から身を守る実用に加え、礼制上の階層をも示した。藤堂明保『漢字源』は、「复」を「同じことが二度かさなる」核義の声符と位置づけ、「複」を「衣を二重にかさねる」意の形声字とし、転じて「複数」「複雑」「重複」「複写」など、同種のものが二つ以上存在することを示す中心語として広く機能すると指摘する。日本では「ふくす」「かさねる」の和訓で受容され、近代以降「複」は数学・物理・通信・印刷・写真など、複合的概念を扱う術語に必須の字として活躍してきた。
構成要素
衤(衣偏)+复(声符)
STROKE ORDER
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MEANINGS
衣を二重にかさねる
かさねる、ふたつ、ふたたび、複数の
★多面的な才と、重ねた経験から生まれる深い厚みを象徴する。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。