◆ 元の意味(古代)
山の北、日の当たらぬ蔭
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KANJI ETYMOLOGY
in
画数
11画
成り立ち
形声
部首
こざとへん
分類
常用漢字
山の北、雲の蔭。
ORIGIN
陰は旧字「陰」のままであり、『説文解字』に「陰、闇也。水之南、山之北也。从阜侌聲」と見え、許慎は本義を「闇」とし、また「水の南、山の北」と方位を定義する。形旁の阜は山の段丘を、声符の侌(イン)は雲が天を覆う形を象り、合して「山に雲がかかり日影となる地」を表す。白川静『字統』は、陰を「日の当たらぬ山の北面」と解し、古代中国の地理観において山の南は陽、北は陰、川では逆に北岸が陰、南岸が陽とされたことを論ずる。これにより「華陰」「山陰」「江陰」など、陰陽の方位を含む地名が成立した。さらに『易経』『老子』において陰は宇宙の根源的二元の一として位置づけられ、「陰陽」は天地・日月・男女・剛柔の対立統一を表す哲学概念へと昇華した。藤堂明保『漢字源』は、侌(イン)を語幹とする語族に「陰・蔭・隠・飲」等を挙げ、「中に込めて覆い隠す」を共通義とすると論じる。陰はその中で、覆い包む暗影の象徴として最も広く用いられる。日本語では「陰徳」「光陰」「陰影」「日陰」など、必ずしも負の意ではなく、奥ゆかしさ・蓄えの徳をも含意する。命名においては「陰」一字での使用は稀だが、「陰徳ある名」を尊ぶ伝統が古典に根付く。
構成要素
阜(山)+侌(声符・雲が覆う)
STROKE ORDER
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MEANINGS
山の北、日の当たらぬ蔭
かげ、陰陽、暗、ひそやか
★陰徳・奥ゆかしさを象意するが、暗の語感ゆえ命名には慎重を要する字。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。