◆ 元の意味(古代)
雨の余滴、こぼれ落ちる雨。
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KANJI ETYMOLOGY
rei
画数
13画
成り立ち
形声
部首
あめかんむり
分類
常用漢字
雨の余滴。万象の起点。
ORIGIN
『説文解字』雨部に「零、餘雨也。从雨令聲」と記す。許慎は本字を雨が止んだあとに静かにこぼれ落ちる残りの雨滴と定義し、雨を意符、令を声符とする典型的な形声字に位置づけた。白川静『字統』はさらに踏み込み、「令」が神意を承ける跪坐の人を象り、天より滴り落ちる清浄なる雨水と神事との関連を示すと説く。雨が大地に注いで万物を潤し、稲を育み、命を養う原初の景を、古代人は「零」という一字に凝縮させたのである。藤堂明保『漢字源』は声系の「令」が「下に落ちる」という共通義をもつ語族(羚・齢・冷・領)に属することを指摘し、零もまた「滴り落ちる」「散り落ちる」の語義に収斂すると述べる。金文期にはまだ多用されず、戦国・秦漢期の文献に至って「零落」「零露」「飄零」といった熟語が定着し、転じて「わずか」「あまり」「まったくない」といった抽象義へと派生した。後世「零」は数の起点たる「ゼロ」を表す字としても用いられ、無から有を生む宇宙論的含意さえ帯びるに至る。命名にあっては、清冽なる初雨の如き純粋無垢、原点に立ち返る潔さ、そして万物を潤す慈愛の象徴として用いられる稀少字である。
構成要素
雨(意符)+令(声符)
STROKE ORDER
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MEANINGS
雨の余滴、こぼれ落ちる雨。
ゼロ、わずか、こぼれる。
★万象の起点、無垢にして清冽。原初の純粋さと、何ものにも染まらぬ自由な精神を託す字。
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※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
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現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。