◆ 元の意味(古代)
髪を結って祭事を共に行う夫の対等な伴侶
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
sai
画数
8画
成り立ち
会意
部首
女(おんな)
分類
常用漢字
髪を結い祭事を共にする伴侶の字
ORIGIN
『説文解字』に「妻、婦と夫と斉しき者なり。女に従ひ、又に従ひ、屮を持つ。又は手なり」とあり、上部は手で髪飾りを整える形、下部の「女」と合わせて「髪を結い髻を整えた成人女性」、すなわち夫と並び立つ正妻を表す会意字とする。白川静『字統』は字形の上部を、巫女が祭具を捧げ持つ姿あるいは髪に祭具を挿す形と読み、「妻」とは祭祀において夫と共に儀礼を行う対等の存在であったと論じる。古代中国では「夫婦」とは祭祀共同体の最小単位であり、夫が外祭を主とすれば、妻は内祭を司り、ともに祖霊を祀ることが家の基本であった。藤堂明保『漢字源』は「妻」と「斉(セイ)」を同源とし、「夫と高さを揃え、肩を並べて立つ女性」と説く。許慎の「夫と斉しき者」は単なる音通の解釈ではなく、漢代における理想的夫婦観を反映している。『詩経』『礼記』には「妻を娶る」「妻と為す」など、婚姻成立を示す語として頻出し、後に「妻子」「夫妻」と熟して家族関係の基本語彙となった。和語「つま」は本来、男女いずれの配偶者をも指し、家屋の端(つま)と語源を共有するとされ、共に立つ存在のニュアンスを伝える。命名には直接用いる例は少ないが、字義そのものに敬意と対等性が込められた一字である。
構成要素
女+手+髪飾り(髻を整える形)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
髪を結って祭事を共に行う夫の対等な伴侶
つま。配偶者の女性
★伴侶として並び立つ誠実さと、家を支える強さを宿す響き
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。