◆ 元の意味(古代)
母から生まれた血族の標識
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
sei
画数
8画
成り立ち
会意兼形声
部首
女(おんなへん)
分類
常用漢字
母の腹より生まれた血脈を示す字
ORIGIN
『説文解字』に「姓、人の生まるる所なり。古の聖人、母、天に感じて子を生む。故に天子と称す。女に従ひ生に従ひ、生も亦た声」とあり、「女」と「生」を組み合わせ「生」が音をも兼ねる会意兼形声字である。「女」は出産する母を示し、「生」は草木が地上に芽生える形で、「人がこの世に生み出される」根源の意を担う。両者の合成によって「母から生まれ出た血の連なり」、すなわち血縁集団の標識である「姓」が成立した。藤堂明保『漢字源』は、上古の母系社会において、子は母系で帰属が決まったため「姓」に女偏が用いられたと説明し、許慎の「天に感じて子を生む」という伝説的解釈を、母系制の記憶として位置づける。白川静『字統』はさらに踏み込み、「姓」とは祭祀共同体としての氏族の標識であり、姫・姜・姒・嬴など古姓の多くが女偏を持つ事実を、母系制と祖神祭祀の名残と解する。『書経』『左伝』には「百姓」「同姓不婚」など、姓を中心とする社会規範が頻出する。日本に伝来し「かばね」「うじ」と訓まれ、古代の氏姓制度に組み込まれた。命名そのものより家系の根幹を示す字だが、その源は「女が命を産み出す」という生命観そのものにあり、漢字文化圏の家族意識を象徴する一字である。
構成要素
女(母)+生(音符兼意符・生まれる)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
母から生まれた血族の標識
うじ。氏族・家系を表す称号
★家の血脈と命の源を尊ぶ、ゆるぎない出自への敬意を宿す響き
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。