◆ 元の意味(古代)
父を失った子、みなしご
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KANJI ETYMOLOGY
ko
画数
9画
成り立ち
形声
部首
子(こ)
分類
常用漢字
つる草の実のごとく独り立つ、清冽な孤高の字
ORIGIN
『說文解字』子部に「孤は父無きなり。子に从ひ瓜聲」とあり、父を失った子を本義とする形声字である。意符の「子」が幼児を、音符の「瓜(うり)」が音を表す。「瓜」はつる草の先に一個だけ実をぶらさげる植物の象形で、その「ぽつんと一つ実る」イメージが「孤」の核に通底する。白川静『字統』は、「孤」が単に父を喪った子のみならず、頼るべき親族から離れた寄る辺なき存在を広く指し、また転じて自立した者、ひいては王者の謙称にまで意味が高められたと解する。実際、古代中国の諸侯は自らを「孤」「寡人」と称し、これは「徳の少ない孤独な者」という謙遜の表現であった。『礼記』には「父無きを孤と曰ひ、子無きを独と曰ふ」とあり、「孤」は親を失った社会的弱者として保護すべき対象とされ、王者にとって「鰥寡孤独」を恤(あわれ)むことが仁政の根本とされた。藤堂明保『漢字源』は「コ」音を「個(ひとつ)」「弧(弓のひとつのカーブ)」と同系とし、ぽつんとひとつ独立して存在するという核義を立てる。後に「孤高」「孤独」「孤立」「孤舟」などの語に展開し、寂寥の情とともに、群れに媚びぬ清冽な気高さをも表すようになった。漢詩では孤雲・孤帆・孤月など、ただ一つ屹立するものへの美意識を象徴する語として愛され、王維・李白の作にも頻出する。人名では孤独の意よりも「ひとり凛として立つ」「群れず己の道を行く」という独立自尊の精神を込めて用いられ、強い意志と内省的な深みを併せ持つ名となる。
構成要素
子(意符) + 瓜(音符・つるに一つ実る)
STROKE ORDER
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MEANINGS
父を失った子、みなしご
ひとり、みなしご、孤立、孤高
群れに惑わされず己の信念を貫く、凛とした独立心
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。