◆ 元の意味(古代)
弓を引き矢を放つ、礼に則って的を射る所作
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
sha
画数
10画
成り立ち
会意
部首
寸(すん)
分類
常用漢字
身(弓の張った姿)と寸(手)から成り、弓を引いて矢を放つ形象。心を据えて的を射る徳。
ORIGIN
『説文解字』矢部に「射は弓弩より矢を発するなり。矢に从ひ身に从ふ。篆文の射は寸に从ふ。寸は法度なり、亦た手なり」とあり、許慎は弓矢を放つ動作を本義とした。甲骨文・金文の字形は、弓に矢をつがえた象形であり、後に篆書において身(弓を引いた姿)と寸(手・規範)の組み合わせへと整えられた。白川静『字統』は、身は弓を引いて張ったさまを象り、寸はこれを操作する手の作法を示すと解し、射は単なる狩猟・戦闘行為ではなく、礼を伴う儀礼であると論じる。古代中国の六芸(礼・楽・射・御・書・数)の一つに数えられ、君子が心を整え徳を磨くための修養とされた。藤堂明保『漢字源』は「ぴんと張って勢いよく出す」を核義とし、謝・赦・卸など同系の語と「張る・伸ばす」意を共有すると整理する。『礼記』射義篇には「射は仁の道なり、射は己に求む」とあり、的を外したら他人を責めず自らを省みるべきと説かれ、内省と修徳の象徴とされた。『論語』八佾篇「君子無所争、必也射乎」も同じ精神を伝える。日本でも弓道として継承され、心技体の調和を重んじる精神文化の中核に据えられている。
構成要素
身(弓を引いた姿)+寸(手・規範)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
弓を引き矢を放つ、礼に則って的を射る所作
いる、うつ、的を射る、放つ、さす(光や視線)
目標に向かって心を定め、礼節をもって挑む真摯な志を象徴。集中力と修養の精神を備えた凛々しい印象。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。