◆ 元の意味(古代)
弓矢の弓、武具
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
kyu
画数
3画
成り立ち
象形
部首
弓(ゆみ)
分類
常用漢字
張り絞られた弓の姿。武と礼の象徴。
ORIGIN
『説文解字』に「弓は窮なり、以て遠きに及び以て窮達するなり、近きを象る」とあり、弓を引き絞った形を象った典型的な象形文字である。甲骨文・金文においては、弦を張った弓そのものの輪郭が明瞭に描かれており、上下に反った木材と弦の張りまでが表現されている。白川静『字統』によれば、弓は古代中国における重要な武器であると同時に、神聖な儀礼の道具でもあった。天子が弓矢を持って四方を射る「射礼」は、君子の徳を示す六芸の一つに数えられ、単なる武具を超えた精神性の象徴であった。藤堂明保『漢字源』は、弓の語源を「窮(きわまる)」と通じるものと捉え、弦を限界まで引き絞ることで遠くに及ぶという力学的な性質を字義の根底に据える。日本においても弓は神事・武道の中心であり、弓道は心身を鍛える求道の象徴として尊ばれた。「弓」を含む字には強・張・引・弾などがあり、いずれも弓の張力や運動から派生した意味を持つ。名前に用いられる場合、武勇・気品・鍛錬・しなやかな強さといった印象を担い、特に古典的・武家的な気風を伝える字として愛されてきた。三画という極めて簡素な字形でありながら、引き絞られた緊張と解き放つ瞬間の力動を内包する、象形の精華と言える文字である。
構成要素
弓を引き絞った形の象形
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
弓矢の弓、武具
ゆみ、弓状のもの
凛とした武勇・しなやかな強さ・求道
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。