◆ 元の意味(古代)
とぐろを巻く大蛇、渦巻きの形
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KANJI ETYMOLOGY
ha
画数
4画
成り立ち
象形
部首
己(おのれ)
分類
人名用漢字
とぐろを巻く大蛇の姿を象り、後に渦巻く文様「ともえ」を表す字。
ORIGIN
『説文解字』巴部に「巴は蟲なり。象を食らふ蛇なり。象形」とあり、許慎は巴を象をも丸呑みにする巨大な蛇の象形と説く。これは『山海経』海内南経「巴蛇食象、三歳而出其骨」に由来し、巴蛇(はじゃ)が象を呑んで三年後に骨を吐き出すという伝説に基づく。中国の巴(現在の四川東部・重慶地方)の地名もこの巨蛇伝承と結びつき、巴族はその蛇を図騰(トーテム)としたとされる。白川静『字統』は、巴の字形を蛇がとぐろを巻く姿の象形と解し、その渦巻き形から日本では「ともえ(巴)」の文様の名となったと述べる。三つの巴を組み合わせた「三つ巴」は、水の渦・雷光・神霊の旋回を象徴する神紋として神社建築や武家の家紋に多用された。藤堂明保『漢字源』は巴を「曲がりくねって渦を巻く」形と捉え、音「ハ」は「ぱっくり開いて呑み込む」意の語族と関連するとする。日本に伝わると、巴は神聖な渦巻き文様として八幡宮の神紋(左三つ巴)をはじめ広く用いられ、武勇と神威の象徴となった。源義仲の愛妾・巴御前は勇猛な女武者として『平家物語』に描かれ、女性名にも力強い響きをもたらした。現代でも「巴」は女性名・男性名双方に用いられ、丸みと力を併せ持つ字として親しまれている。
構成要素
とぐろを巻く蛇の象形
STROKE ORDER
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MEANINGS
とぐろを巻く大蛇、渦巻きの形
ともえ、渦巻き、巴文様
丸みのある優しさと内に秘めた強さを兼ね備えた人。
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※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
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現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。