◆ 元の意味(古代)
あちら側。遠称の指示詞。
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KANJI ETYMOLOGY
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画数
8画
成り立ち
形声
部首
彳(ぎょうにんべん)
分類
常用漢字
あちら側を指し示す字。距離と相対化、客観の眼差しを象徴。
ORIGIN
『説文解字』に「彼は往にして此に有る者なり。彳に从ひ皮聲なり」とあり、形声字として位置づけられている。左の「彳」は道行き・歩行を意味する部首で、距離を隔てて移動することを暗示する。音符の「皮」は表皮・外側を意味し、藤堂明保『漢字源』はこれを「中心から離れた周縁」のイメージを担うとみなし、ここから「中心(此)から離れたあちら側」を指し示す指示詞「かれ・かの」の義が成立したと解する。白川静『字統』は、古代中国語の遠称代名詞として「彼此」が対をなして用いられ、空間的・心理的な距離感を表現する基本語として早くから定着していたと述べる。『詩経』『楚辞』にも「彼の美人」「彼の蒼天」など、向こう側にある対象を仰ぎ見る文学的用例が豊富で、距離を置いた憧憬や客観視の眼差しを伴う言葉として発達した。後に三人称代名詞「かれ」として一般化し、近代以降の翻訳語でも英語のhe/sheに相当する基本人称として確立する。日本では『万葉集』以来、遠くを示す指示詞として歌語に用いられ、相対化・客観性・俯瞰の知性を象徴する。名づけ用例は稀だが、相手を尊重する距離感と知的客観性を秘めた字とされる。
構成要素
彳(歩み)+皮(表皮・周縁)。離れた向こうを指す。
STROKE ORDER
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MEANINGS
あちら側。遠称の指示詞。
かれ。かの。あの。三人称代名詞。
客観性と俯瞰の知性。距離をわきまえる慎みと品格。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。