◆ 元の意味(古代)
心が後ろにとどまり、思いが残って消えない
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KANJI ETYMOLOGY
kon
画数
9画
成り立ち
形声
部首
忄(りっしんべん)
分類
常用漢字
立ち止まって振り返る、深く沈んだ思いの澱
ORIGIN
『説文解字』巻十下に「恨、怨なり。心に従い、艮声」とあり、形声字。声符の「艮」は人が振り返って後ろを見つめる象形で、「とどまる・退かない」意を含む。白川静『字統』は、艮を「目を後ろに向ける呪儀」とし、心が前へ進めず後ろに引き戻される状態を恨と表現したとする。藤堂明保『漢字源』は、艮(コン)は「かたく止まる」意で、心がしこりとなって動かないさまを示し、「うらみ」の義を生じたと説く。古典の用例として、『楚辞』九章「哀郢」には「心嬋媛として懐傷み、眇として其の心の恨み多きを思う」と、流謫の悲哀を訴える詞がある。『史記』伍子胥列伝の「怨毒の人に在るや、甚だしいかな」に通ずる怨念の情を表す一方、白居易『長恨歌』では「天長地久時有り尽くるも、此の恨綿綿として絶ゆる期なし」と、玄宗皇帝と楊貴妃の悲恋を「恨」の一字で締めくくり、別離の哀切と尽きぬ思慕を含めた情緒を確立した。日本でも『源氏物語』『新古今集』など王朝文学において、恨は単なる憎しみでなく、果たせぬ思いの切なさを湛えた美的概念として展開した。命名には通常用いないが、文学的・哲学的に深い情感を象徴する字である。
構成要素
忄(心)+艮(声符、振り返ってとどまる)
STROKE ORDER
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MEANINGS
心が後ろにとどまり、思いが残って消えない
うらむ・うらめしい・残念に思う・心残り
深い情感と記憶を大切にする内省的な精神性
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。