◆ 元の意味(古代)
心を串が貫いて取れぬ憂い・思案
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KANJI ETYMOLOGY
kan
画数
11画
成り立ち
形声
部首
心(こころ)
分類
常用漢字
心に串を刺すような憂い、人生に重く垂れる思案
ORIGIN
『説文解字』巻十下に「患、憂なり。心に従い、上に串を貫くに従ふ。串も亦た声」とあり、会意兼形声字とされる。「串」は物を縦に貫く串の象形で、「つらぬく」意を持つ。白川静『字統』は、串は呪物や神饌を貫いて捧げる祭器の形で、それが心を貫いて去らない感覚を「患」と表したとする。藤堂明保『漢字源』は、串(カン)は声符兼意符で、心に串が刺さってつかえるように、思いが取り去られず憂いとなる状態を表すと説く。古典では『論語』憲問篇に「君子は能なきを病む、人の己を知らざるを病まず」とあり、「病」と並んで「患」が頻出する。同じく『論語』里仁篇「不患無位、患所以立」(位なきを患えず、立つ所以を患う)、衛霊公篇「君子は道を謀り、食を謀らず……君子は道を憂え、貧を憂えず」と、君子の憂うべき対象を説く文脈で用いられる。『孟子』告子篇には「生於憂患、死於安楽」(憂患に生き、安楽に死す)の名句があり、困難こそが人を成長させ、安逸が人を堕落させると説く東洋的試練観を示す。派生して「病気」の意でも用いられ、「患者」「疾患」など医学用語に定着した。日本でも「外患」「後患」「災患」など、人生・国家の重大な憂いを表す漢語として使われる。命名には通常用いないが、人生の憂いを深く受け止める思慮深さを示す字である。
構成要素
串(つらぬく)+心
STROKE ORDER
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MEANINGS
心を串が貫いて取れぬ憂い・思案
わずらう・うれえる・なやみ・病気
深く思慮し、人の悩みに寄り添う共感の心
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。