◆ 元の意味(古代)
根ごと深く引き抜く
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KANJI ETYMOLOGY
batsu
画数
7画
成り立ち
形声
部首
扌(てへん)
分類
常用漢字
深く根ざすものを引き抜き、群を抜き出る秀でた手
ORIGIN
「抜」は旧字「拔」の新字体である。『説文解字』手部に「拔は擢(ぬき出す)なり。手に從ひ犮聲」とあり、形声字として位置づけられる。意符は「扌(手)」、声符は「犮」で、犮は犬が走り抜ける形象とも、足で物を撥ねる形象とも解されるが、藤堂明保『漢字源』は犮の含む「勢いよく外へ抜け出る」イメージが本字に受け継がれていると説明する。白川静『字統』は、古代に植物の根を引き抜く農耕の所作、また敵地の旗を引き抜く軍事的勝利の所作と関連づけ、「抜」が深く据えられたものを根ごと引き出す決定的行為を表すとする。古典では『孟子』告子上の「拔苗助長」、『左伝』『史記』の「抜城(城を陥落させる)」「抜擢」「抜萃」など、優れたものを選び出す、深く据わったものを取り去るの両義で活躍する。「海抜」「抜群」「抜本」のように、平面から抜き出る・根本に達するの意も派生する。「奇抜」「秀抜」「卓抜」など、群を抜く卓越を表す熟語は多く、人材登用において抜擢される者の傑出ぶりを称える価値概念とも結びついた。日本語の「抜きん出る」「気が抜ける」「抜け道」など、奥行きと俊敏さの両面を表す語感は、この字の動的本質をよく伝える。「抜」は、凡庸を超えて突き抜ける才能と、本質を根本から掘り起こす洞察力を象徴する字である。
構成要素
扌(手)+ 犮(勢いよく外へ出る、声符)
STROKE ORDER
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MEANINGS
根ごと深く引き抜く
ぬく、ぬける、抜きん出る、抜擢する
凡庸を超えて秀でる才能と、本質を見抜く深い洞察力
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。