◆ 元の意味(古代)
振り動かす。奮い立たせる。救う。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
shin
画数
10画
成り立ち
形声
部首
扌(てへん)
分類
常用漢字
扌と辰を組み合わせ、勢いよく手を振り起こし物事を奮い立たせる意を示す字。
ORIGIN
『説文解字』手部に「振は擧救するなり、一に曰く奮なり、手に従ひ辰聲」と記される。許慎は本字を「持ち上げて救う」「奮い起こす」と二義併記する。声符の「辰」は本来貝の蓋が動き出す形、または蜃気楼の蜃と通じ、「ふるえ動く」「胎動」の意を内包する。白川静『字統』は辰を農耕の春の動き、すなわち万物が震え目覚める時節と関連づけ、振を「手を以て物を奮い動かす」原始農儀礼に発する語と論ずる。藤堂明保『漢字源』は語幹「シン=ふるえ動く」を据え、振・震・娠・晨を同源語族と見なす。すなわち春の雷が大地を震わせ、種子が発動する春景の象徴である。古典『詩経』『書経』にも「振旅(軍を整え奮い立たせる)」「振古(古来から)」の用例が見え、勢いよく動かし広める意で用いられた。日本では「振興」「振作」「奮振」など積極的活力を示す語に多用され、姓名でも昭和期から「振一」「振彦」のような男性名が好まれた。命名における振は、停滞を破り場を活気づける生命力の象徴で、リーダーシップや影響力の含意を持つ。
構成要素
扌(手の動作)+辰(音符・震え動く)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
振り動かす。奮い立たせる。救う。
ふるう。さかんにする。広く行き渡らせる。
活気と影響力に満ち、周囲を奮い立たせる人物像を象徴する字。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。