◆ 元の意味(古代)
妊婦の胎内で胎児が動き始めること、生命が発動する状態
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
shin
画数
10画
成り立ち
形声
部首
女(おんなへん)
分類
常用漢字
女と辰から成り、新しい命を胎に宿す生命の始動を表す字
ORIGIN
『説文解字』巻十二に「娠は女妊身動くなり。女に従ひ辰聲。『春秋伝』に曰く、后緡方に娠む」とあり、許慎は妊婦の胎内で胎児が動くことを娠の本義とした。引用される『春秋左氏伝』哀公元年の「后緡方娠」は、夏后少康の母が王朝再興の希望を胎に宿した故事である。声符の「辰」は二枚貝が殻から足を出して動くさまの象形、あるいは農具の象形ともされ、いずれも「動き出す・震動する」の義を含む。白川静『字統』は、辰を蛤の類が殻を開いて足を伸ばす形とし、女+辰で「胎児が腹中で動き始める」生命の発動を表すと説く。藤堂明保『漢字源』は「辰(ふるえ動く)+女」の形声で、母胎の震動・胎動を本義とし、転じて「みごもる」全般を意味するに至ったと解する。古代中国では妊娠は天地の生成と同じく神聖な事象とされ、「妊娠」の語は『黄帝内経』にも見える医学用語であった。日本では「妊娠」「娠む」と用いられ、新しい生命の始まりを告げる尊い字として認識される。命名には用例が稀だが、内に生命力を秘める含意を持つ。
構成要素
女(おんな)+辰(動き出す貝・震動)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
妊婦の胎内で胎児が動き始めること、生命が発動する状態
みごもる・はらむ・新しい命を宿す
★内に生命力と希望を宿し、新たなものを生み育てる豊穣の字
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。