◆ 元の意味(古代)
手で粒や水を広く播きちらす
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KANJI ETYMOLOGY
san
画数
15画
成り立ち
形声
部首
扌(てへん)
分類
常用漢字
手で粒や水を広く播きちらす動作を表す字。撒水の躍動と豊かさを宿す。
ORIGIN
『説文解字』には収められず、後出の俗字として唐宋以降に普及した字である。形声の構造は明らかで、意符に「扌(手)」、声符に「散」を据える。「散」は『説文』に「雜肉なり」とあり、もと祭肉を細かく切り分け広く分配する義から、転じて「ばらばらに分け広げる」意を獲得した。これに手の動作を示す「扌」が加わって、手によって粒状物・液体を広く撒き散らす行為が明示された。藤堂明保『漢字源』は、撒の語源を「散(バラバラに分かれる)+手」と分析し、種を播き水を撒く農耕儀礼との結びつきを強調する。白川静『字統』では、散の旁が脔肉に攴を加えて分散させる象であり、扌を加えた撒は手わざによる積極的な分配・施与を表すとする。古典では『水滸伝』『紅楼夢』などの白話小説に多用され、「撒花」(花を撒く)「撒網」(網を撒く)「撒水」(水を撒く)など、慶事・漁労・清浄の場で使われた。日本でも豆撒き・塩撒きなど、邪気を払い福を招く儀礼動作を表す字として親しまれる。種を撒けば実りが広がり、福を撒けば喜びが広がる。撒の字には、惜しみなく与え、世界に祝福を播きひろげる豊穣の精神が宿る。
構成要素
扌(手)+散(声符・分散)
STROKE ORDER
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MEANINGS
手で粒や水を広く播きちらす
まく、ばらまく、撒き散らす
豊かに与え、福と笑顔を周囲に播きひろげる気前のよい人柄。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。