◆ 元の意味(古代)
麻で織った布。
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KANJI ETYMOLOGY
fu
画数
5画
成り立ち
形声
部首
巾(はば)
分類
常用漢字
麻や絹を織りなす「ぬの」。ひろく敷き渡し、恵みを行き渡らせる字。
ORIGIN
「布」は形声の字で、巾を意符とし、父(ふ)を音符とする。『説文解字』巾部に「布は枲織なり。巾に従い、父の省声」とあり、麻を織って作った布のことと定義する。許慎は「枲(し)」すなわち麻を素材とする織物が原義であると述べ、絹布(帛)に対して庶民の用いる粗い布を指したとした。白川静『字統』は、布の音符「父」を、もと斧を持つ手の形と解し、布を裁つ道具との関連を示唆する。布は古代社会において衣服・寝具・幕・贈答・通貨にまで用いられた基本物資であり、「布告」「布教」「公布」のように、ひろく行き渡らせる意も派生したと述べる。藤堂明保『漢字源』は、布を「ひろく平らにのべる」意の形声字とし、織物が平らに広がる様から、「しく」「ひろめる」「あまねくゆきわたらせる」の意が転じたと説く。古代中国では麻布が一般民の衣服であり、また租税としても納められた。『周礼』には「布」を貨幣の代わりに用いる記述もあり、経済の基盤でもあった。日本では『古事記』『日本書紀』に布を神に捧げる記事が多く、神事における重要な供物であった。今日「分布」「散布」「布陣」など、空間に均等に広がる意の語にも生きている。
構成要素
巾(布)+父(音符、ふ)。
STROKE ORDER
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MEANINGS
麻で織った布。
ぬの、織物、ひろく行き渡らせる、しく、公布する。
恵みや徳を広く行き渡らせる字。包容力・寛大さ・あたたかさを願う名に好まれる。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。