◆ 元の意味(古代)
心の働きが繰り返しによって定着する
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
kan
画数
14画
成り立ち
形声
部首
心(こころ)
分類
常用漢字
繰り返しの中で心と身が一つに結ばれる、習熟の字
ORIGIN
『説文解字』には「慣」字を立てず、その本字は「貫」とされる。後の字書『玉篇』『広韻』に「慣は習なり、心に从ひ貫の聲」と説かれ、心を意符、貫を声符とする形声字として整理された。声符の「貫」は、子安貝など穴のあるものを紐で連ねて貫き通した形を象り、「つらぬく・つらねる・通す」の語感を持つ。これを心に冠して、心が同じ動作・経験を貫き通すこと、すなわち繰り返しを通じて身につく状態を「慣」と表した。白川静『字統』は貫を呪具を貫き連ねる呪術的行為と解し、慣を「心の働きが連続して定着すること」と捉える。藤堂明保『漢字源』は貫の音系に「ずっと通す・続ける」の語感を認め、繰り返し続けて心身に染みつくことから「なれる・ならす・ならわし」の義を導く。古典では『書経』太甲「習いて性と成る」、『論語』陽貨「性相近きなり、習相遠きなり」など、人格形成における習慣の重要性が説かれ、慣はこれを担う字として用いられた。『春秋左氏伝』「貫してこれに習ふ」が代表例である。日本でも「習慣」「慣例」「慣行」と熟し、長く続いて定着したものを表す。名に用いる例は限られるが、地道な努力で技を磨き、たゆまぬ修練によって自ずと身につく深い熟達と、首尾一貫した生き方を象徴し得る字である。
構成要素
心(こころ)+貫(声符・つらぬく・つづける)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
心の働きが繰り返しによって定着する
なれる、ならす、習慣となる
たゆまぬ修練と一貫した生き方
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。