◆ 元の意味(古代)
手で細かく塗る、磨り消す
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KANJI ETYMOLOGY
matsu
画数
8画
成り立ち
形声
部首
扌(てへん)
分類
常用漢字
細やかに塗り、消し、磨り砕く繊細にして決然たる手
ORIGIN
『説文解字』には立項がなく、後代に成立した形声字である。意符「扌(手)」と声符「末」から成る。声符「末」は木の枝の先端、すなわち最も細い部分を象り、藤堂明保『漢字源』は、末の本義「細く先端に至る」イメージが「抹」に受け継がれ、手で細やかに薄く塗り広げる、また粉のように細かく擦り消す動作を表すと解する。白川静『字統』は、古代の祭祀において塗料・血・香料を神器に塗布する所作、また呪符・記録を塗り消す所作と関連づけ、「抹」が宗教的・呪術的に何かを「上書きして無効化する」「新たに彩る」二面性を持つ字であったとする。古典では『北史』『唐書』などに「抹殺」「抹消」の語が現れ、特に文書の文字を朱で消去する官僚的・法務的所作と結びついた。一方で「抹茶」「抹香」「抹粉」のように、固形物を細かく擦って粉末にする意も強く、日本では特に茶道文化と深く融合する。「抹茶」は石臼で碾茶(てんちゃ)を粉末に挽く所作を経て生まれる飲料であり、「一抹の不安」のように「ごくわずかに塗る」転義から「ほんの少し」の比喩的副詞用法も発達した。「抹」は、消すことと彩ることが同じ手の所作の表裏であり、繊細な塗布と決然たる消去の双方を担う、表現力豊かな手の働きを象徴する字といえる。
構成要素
扌(手)+ 末(細く先端、声符)
STROKE ORDER
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MEANINGS
手で細かく塗る、磨り消す
ぬる、けす、すりつぶす、ごくわずか
繊細な感性で物事を彩り、不要なものを潔く払う洗練された美意識
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。