◆ 元の意味(古代)
両手をくぼめて水や穀物を抄う。
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KANJI ETYMOLOGY
kiku
画数
11画
成り立ち
形声
部首
扌(てへん)
分類
人名用漢字
両手で水をすくう。掬すべき情を写す、清らで慎ましい字。
ORIGIN
『説文解字』には正字「匊」が手部ならぬ勹部に「匊、両手に在るなり。勹米に从ふ」とあり、両掌に米を抱える会意とする。後世、手偏を加えた「掬」が分化し、両手で水や穀物を抄うことを専表する形声字となった。声符は匊(キク)で、勹は人が屈み抱える形、米は中身を示す。白川静『字統』は、両掌をくぼめて掬する所作を儀礼的な献上動作と関連づけ、神への奉献にも通じる清浄性を読み解く。藤堂明保『漢字源』は同系に「鞠」「菊」を挙げ、kiukの音に「丸くまるめる・抱え込む」共通義を見いだす。漢代以降「一掬の涙」「掬水月在手」(于良史)のように、わずかな水量や情感を写す詩語として頻用された。唐詩宋詞に至り「掬」は風雅の象徴語となり、月光・花影を手に掬む情景描写に用いられる。日本では平安期の漢詩文にも採られ、後に「掬う」の和訓が定着。茶の湯の「掬水」、能の「水掬む」など、繊細な手の所作と心の通わせを表す語として深く根づいた。控えめな量を慈しむ心、相手の情を汲む共感力を象徴し、奥ゆかしさと優しさを併せ持つ命名字である。
構成要素
扌(手)+匊(音符キク/抱え込む)
STROKE ORDER
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MEANINGS
両手をくぼめて水や穀物を抄う。
すくう、汲む、心を汲み取る、わずかな量。
情を汲む優しさ、奥ゆかしい慈愛、清らかな心遣い。
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※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。