◆ 元の意味(古代)
屋根の張り出し、蔭をつくる部位
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KANJI ETYMOLOGY
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画数
7画
成り立ち
形声
部首
广(まだれ)
分類
常用漢字
屋根の端から差し伸べる庇、弱きを覆い守る慈しみの一字。
ORIGIN
『説文解字』广部に「庇は蔭なり。广に从い比声」とあり、屋根を表す「广」と音符「比」からなる形声字である。許慎は本義を「蔭(かげ)」、すなわち日や雨を遮る屋根の張り出し部分と規定する。白川静『字統』は、比に「並ぶ・寄り添う」の意があることに着目し、庇を屋根に寄り添うように張り出した部位、転じて弱者に寄り添い庇護する行為を表す字と説く。藤堂明保『漢字源』もまた、比=二人が並ぶ形、广=屋根として、屋根の縁にぴたりと並ぶ庇の構造を語源として提示し、そこから「おおう」「かばう」の意が派生したと論ずる。古典では『左伝』『詩経』に「庇蔭」「庇護」の語が現れ、君主や父母が民や子を庇い守る文脈で用いられた。日本建築においても、母屋の周囲に張り出す「庇(ひさし)」は風雨と日射から内を守る重要な部位であり、転じて人を庇う精神的態度の象徴ともなった。名に用いるとき、庇は表に立って功を誇る字ではなく、陰にあって弱きを守る慎ましやかな徳を象徴する。やや古風で重みのある字で、慈愛と保護の心を体現する人格を印象づける。男女ともに用いうるが、用例は少なく希少性がある。
構成要素
广(屋根)+比(寄り添う・音符)
STROKE ORDER
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MEANINGS
屋根の張り出し、蔭をつくる部位
ひさし、おおう、かばう、まもる
弱きを守る慈愛、控えめな包容力、影で支える誠実さ。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。