◆ 元の意味(古代)
神聖なるものに畏れ慎む、斎戒する。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
ki
画数
7画
成り立ち
形声
部首
心(こころ)
分類
常用漢字
畏れ慎む心、神聖を守る斎戒の文字
ORIGIN
『説文解字』心部に「忌は憎悪するなり。心に从ひ己声」とあり、もと「憎み嫌う」を本義とするが、白川静『字統』はさらに古層に遡り、忌は祖霊や神聖なるものに対する畏怖と斎戒に由来する字と説く。己は曲がった糸あるいは己自身を象り、声符として「キ」の音を担うと同時に、自らを慎み律する意を含む。『漢字源』藤堂明保は声符己を「ぐっと自分を抑える」共通義とし、忌・記・紀などをその一群と捉える。すなわち忌は心を抑え、ある対象に近づかぬよう自戒する精神を表す。古代中国・日本では、神事や喪に際して身を清め日常を断つ「斎戒」を「忌」と称し、『礼記』曲礼に「斎戒の日、臨見せず」とあるごとく、神聖と俗とを分かつ重要な観念であった。日本でも「忌日・忌中・物忌み」と、亡き人や神霊を敬うために自らを慎む期間を意味する。否定的にも肯定的にも用いられるが、本質は「心を律して聖なるものを守る」清浄の徳にある。名乗りでは「いみ」と読み、慎み深く敬虔な人柄を象徴する。
構成要素
心(こころ)+己(声符キ・自らを抑える意)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
神聖なるものに畏れ慎む、斎戒する。
いむ、きらう、はばかる、つつしむ、命日
敬虔で慎み深く、聖なるものを守る清らかな心。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。