◆ 元の意味(古代)
正道から外れた心、忌み嫌う感情
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KANJI ETYMOLOGY
aku
画数
11画
成り立ち
形声
部首
心(こころ)
分類
常用漢字
亜の墓室に潜む心。善悪を分かつ古代の倫理観を映す字。
ORIGIN
「悪」は旧字「惡」の新字体で、心を意味する「心」と、音符「亞(ア)」から成る形声文字である。『説文解字』に「過也。从心亞聲」とあり、過ち・道に外れた心を意味する字と定義される。許慎は「過」と訓じ、本来「正しさから逸脱した心の状態」を示す字とした。白川静『字統』は「亞」字を四隅の窪んだ墓室の平面形と解し、死者を葬る陰の場所を意味するとした。そこから派生して「亞」は忌み嫌うものを表し、「惡」は心の中で忌避する感情、すなわち「にくむ」「いとう」が原義であったと説く。後に倫理的な「悪い」という意味に転じたとする。藤堂明保『漢字源』は「亞」を「次の」「劣る」と捉え、「正に次ぐ・正に劣る心」として悪の本義を解釈する。読みも「アク(悪い)」と「オ(にくむ)」の二つに分化し、『論語』の「悪紫之奪朱也(紫の朱を奪うを悪む)」のように「オ」と読む用法は今も生きている。日本では古代より「悪七兵衛景清」など、強力で畏怖すべき者の美称としても用いられ、必ずしも倫理的悪のみを意味しない多義性を持つ。命名には用いられないが、字源は人間の「忌み嫌う感情」「正と逆を見極める判断力」という重要な倫理的視座を示す。
構成要素
亞(墓室の象形・音符ア)+心
STROKE ORDER
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MEANINGS
正道から外れた心、忌み嫌う感情
わるい。良くない。にくむ(オ)。あし。
強さ、畏怖すべき威厳(中世武士名の美称・現代命名には不適)
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。