◆ 元の意味(古代)
正道から外れた心、忌避すべきもの
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KANJI ETYMOLOGY
aku
画数
12画
成り立ち
形声
部首
心(こころ)
分類
常用漢字
墓室の影に潜む心。古来の畏怖と忌避を映す悪の旧字。
ORIGIN
「惡」は新字「悪」の旧字体であり、字源解釈は同一であるが、字形により古代的含意がより鮮明に現れる。『説文解字』に「過也。从心亞聲」とあり、心が正道を過ぎ外れることを意味する字と定義された。許慎は心部に分類し、「過」を本義として位置づけている。白川静『字統』は声符「亞」を、四隅が窪んで凹型をなす墓室の平面図と解し、「亞」が陰の場所・忌み避けるべき空間を意味すると説く。古代中国の高位者の墓室は「亞」字形に造られ、死者を葬る神聖でかつ忌避すべき領域であった。「惡」はその「亞」と心の合字であり、「忌み嫌う心」「死や穢れを避ける心情」が原義であったとする。すなわち倫理的な「悪」概念以前に、宗教的な「忌避」の感情がこの字の核にあったのである。藤堂明保『漢字源』も「亞」を「次の」「劣る」と捉え、「正に対して劣り次ぐ心」として悪を解釈する。読みは「アク(悪い)」と「オ(にくむ)」に分化し、『論語』『孟子』では「好惡(こうお)」のように「オ」と読み、嫌悪の情を表した。日本古典では「悪左府」「悪源太義平」のように、強力で恐るべき者の美称として用いられ、必ずしも倫理的悪のみを意味しない多義性を持つ。命名には用いられないが、字源は「畏怖すべき威厳」「正邪を見極める眼」を象徴する。
構成要素
亞(墓室の象形・音符ア)+心
STROKE ORDER
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MEANINGS
正道から外れた心、忌避すべきもの
わるい。あし。にくむ(オ)。
畏怖すべき強さ(中世武士名の美称・現代命名には不適)
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。